人事部長からの質問
総合職制度全廃を検討しているが…
よいお考えだと思います。日経新聞の「人と仕事」欄(月曜日)を読んでいると、最近、総合職、一般職という考え方をやめる企業が少しづつ出だした印象があります。この制度の何がいけないか。固定的身分制度が優れた才能の発見と育成という意欲を閉ざす一点にあります。津本陽さんの「椿と花水木」(新潮文庫)で描かれた土佐の漁師万次郎が象徴的です。1827年生まれで、わずか3年半の米国滞在にもかかわらず、英語を完全に覚え、しかも米国文化、社会機構について優れた知識と見識をもって日本に帰りました。米国社会が才能に対してオープン(固定的でない)だったからありえた話です。みなさんの企業でも万次郎のような人がたくさん埋もれている、と私はみています。
文責:清水 佑三
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