続・人事部長からの質問

人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。

是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。

2024/06/07 3888

タレントマネジメントと一言に申し上げても領域が多岐に渡ります。上層部から着手しろと言われていますが、先ずは何から着手するのが望ましいのでしょうか?

最も効果的なタレントマネジメントは経営陣の改善です。上層部のパフォーマンスとコンピテンシー、ポテンシャルをアセスメントして、経営戦略との適合度を評価し、上層部を最適化することをお勧めします。と、こんなことを言うコンサルタントの話は聞いてはいけません。現場のことをわかろうともしないのですから。

会社の業績に貢献するタレントマネジメントを行うためには、現在の組織人事に関わる問題を見出し、課題を明確にしなくてはいけません。経営事業戦略と組織人事戦略を適合させ、組織人事戦略に基づく人事施策を立案し、実行し、結果をモニタリングし、効果を測定する。このサイクルを回して行きます。

タレントマネジメントを指示した上層部の方へのヒアリングが最初の仕事です。

文責:清田 茂

2024/06/06 3887

「自律的なキャリア形成」を会社として推進していくためには、何から始めるのがオススメでしょうか。

会社としてキャリア自律を推進していくということですね。キャリア自律とは、個々人が自らの意思でキャリアを築いていくものに変えていくということですが、会社としてもサポートをしていく必要があります。キャリア自律の施策を行うことで従業員のモチベーションの向上、エンゲージメントの向上さらには生産性の向上、優秀な人材の定着率のアップにつながります。

まずは、会社としての目標を明確にします。従業員のニーズを理解するためにアンケートや面談などの手段を通じて、どのようなスキルやキャリアの成長を求めているか把握することが重要です。必要とするスキルや知識に基づき、具体的な研修プログラムを計画し提供します。

さらにキャリア開発の支援として、従業員が自らのキャリアを管理し成長させるためには、定期的なフィードバックと評価の仕組みが必要となります。従業員と一緒に定期的に進捗を確認しあい調整していくことです。こうしたキャリア開発支援が従業員にも評価され定着していくことで、組織の文化としてキャリア自律が根付いていけば、従業員の成長と満足度も一層高まっていくことでしょう。

文責:奈良 学

2024/06/05 3886

研修を受けてみて、その時はためになったなと思ってもその後の仕事にはそれほど活きていないということが間々あります。実務への接続を上手に進めるために実践しやすいことはありますでしょうか。

ありません。
研修でも業務でも社会情勢でも何でもよいのですが、優秀な人はそれらを上手に吸収して実務に反映させていきます。それ自体が優劣を決める能力の一つなのです。
自分がよく「適性」とは何かという問いに対して効率良く経験値を得られることと言うのはそのためです。優秀な人は3年で10年経験(値)した人と同じだけ伸びる事ができます。要努力者は10年やっても1年分の経験(値)しか得られないひとだと考えています。
経験は単に時間ではありません。能力として吸収しているかどうかが重要なのです。
研修も同様でその研修を自分の実として活用できるのは「適性が高い」と考えられます。

学校でも同じ授業を受けても理解力やテストの点数に差が出るように「適性」という壁はなかなか超えられません。
しいてやり方をあげるなら復習をすることです。業務の能力は業務でしか身につきません。
研修を活かすための業務を見つけたら進んでその仕事をすることくらいでしょう。

文責:三條正樹

2024/06/04 3885

総合職採用をやめて職種別採用に変えていきたいと考えています。入社後の現場レベルで何か注意点はありますか?

新人を受け入れる現場では特に注意すべきことはありません。
むしろ即戦力ないしは、特定の職務に対するポテンシャルが高い人を採用するため、現場の育成は円滑に進みます。安心して現場に送り出してください。

むしろ注意点は採用方法にあります。今まで総合職採用しか行っていなかったとすると、採用の考え方から方法、関与する人、応募者の集め方、選考方法などありとあらゆる点を変更しなければなりません。採用プロセスの設計をしっかり行う必要があります。

文責:清田 茂

2024/06/03 3884

社内のエンゲージメントを向上させたいと考えているが、待遇面や職場環境の改善を行ってもすぐに改善後の状態になれてしまい、本質的なエンゲージメント向上には繋がらないのではと考えています。何か効果的な取り組みなどあればご教示願います。

待遇面などは人によって満足度が違いますから、改善したからといってすべての人のエンゲージメントが向上するわけではありません。おっしゃるように、さらなる改善をもとめる要望も出てくることでしょう。
ここでは、従業員の心理的な満足度や成長意識、仕事への意欲を向上させるにはどうしたら良いかという視点が大事になるのではないでしょうか。
まず、会社のビジョンや目標に従業員が共感できているのか、会社のビジョン達成のために自分が何をすべきか、何ができるのかを考えてもらいましょう。

自分が成長しているという実感、自己実現感を得られる環境を整えることです。多様な働き方の提案、柔軟な対応ができているかをフィードバックやコミュニケーションの頻度、密度をあげ確認していきます。社員同士のコミュニケーションできる場も大切です。
こうした取り組みは、待遇面や職場環境の改善と同様に重要であり、従業員の満足をあげ、会社に対するエンゲージメントを高める効果があります。

文責:奈良 学

タレントマネジメ
ントコラム 日本エス・エイチ・エルの人事コンサルタントの視点

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