続・人事部長からの質問

人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。

是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。

2022/03/03 3338

管理職(課長・部長)の比率はどれくらいが適正なのでしょうか?当社は1000名前後の会社で管理職は200名近くおります。1つの課の単位が4〜5名と細かく、チーム分けをしております。

御社の社員数との比率で考えると管理職比率は、20%ということになります。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(平成30年)によると管理職比率は企業規模によらず部長、課長合わせても10%程度ということですが、企業の業種、組織構成、社歴などいろいろな要素で異なるものでしょう。何%が適正かということは一概に言えません。

例えば営業主体で課長のマネジメントが効くのが6名ぐらいまでと考え1チームの構成を6名とすれば下がりますし、高度にオートメーション化され人自体が少ない職場とすれば上がるでしょう。ただ、従来のように組織が新人、若手、主任、課長というように年功序列のピラミッド型を前提として考えることはできません。各人の業務が定型化され、先輩上長のOJTも必要なく、管理、指導もそれほど必要ないということになれば、管理職の数も減っていくでしょうし、部下を管理することが仕事というような管理職は不要になります。さらにそのような複数の課長を統括する役割の部長も不要です。全体数の中での適正比率ではなく、御社の事業の中で各組織、ユニットに求められる成果を出すためのチーム構成としてどのようなマネジメント担当を置くか、マネージャーのパフォーマンスは適切に発揮されているのかを考えることの方が重要ではないでしょうか。すでに職歴に応じて昇進していくような年功序列システムは崩壊しつつあるのですから。

なお「人的資本」関連の情報開示については推進していこうという流れになってきています。現状では、特に女性管理職の比率や外国人社員数などに関心が高いようです。女性管理職の比率を30%以上にという目標を掲げる企業が多いですが、さらにすすんでアサヒグループホールディングスのように経営層での女性比率を40%以上にするという企業も出てきています。社員の多様性や人材教育の方針などについても投資家が目を向けるようになってきています。

文責:奈良 学

タレントマネジメ
ントコラム 日本エス・エイチ・エルの人事コンサルタントの視点

ご質問

お気軽にご質問をお寄せください。
※お送りいただいた全てのご質問を掲載するわけではございません。また質問内容を抜粋して掲載する場合がございます。 あらかじめご了承ください。