続・人事部長からの質問

人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。

是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。

2016/12/28 2087

毎年同じような学生を採用してしまうため、とがったような人材も採用したい。何から始めたらよいですか。

とがったような人材の定義から入りましょう。まずは社内でとがった人材を欲している人を集めてプロジェクトチームを作ります。プロジェクト名は「トンガリさん、いらっしゃーい」です。
プロジェクトの責任者には役員クラスの方を絶対に入れてください。そうしないと必ずこのプロジェクトは失敗します。役員クラスの方にとんがり人材採用の支援者がいないのならば、この発案は寝言ですのでやってはいけません。

プロジェクトメンバーが集まりましたら、二つの方法で情報を収集します。
一つ目は、プロジェクトメンバーの考えるとんがり人材の特徴をあげていくこと。ブレインストーミングを行います。ブレストの方法については色々なところに記載がありますのでそちらを参考にしてください。
二つ目は、プロジェクトメンバーに社内に実在するとんがり人材の名前をあげてもらうことです。できれば複数人あげてもらってください。加えて各とんがり人材はどんな点がとんがっているかについて推薦者に説明を求め、記録をとります。この際に直接知らない著名人を挙げてはいけません。直接知っている社内の人だけを対象に挙げていきます。とんがり人材ができったら、とんがり人材をKJ法で分類します。その後、とんがり人材に推薦された人に対してパーソナリティ検査を実施し、分類グループごとの共通性を適性検査データの分析によって特定します。

とんがり人材ブレストの結果と適性検査データ分析の結果より、とんがり人材定義を行います。
定義ができたらそれを採用基準にして採用選考プロセスを設計し、面接官へ必要なアセッサートレーニングを行った上で、採用を実施します。
面接官トレーニングはとても重要です。一般に面接官が主観評価を行うと、組織風土に適応しやすい人材を高評価にしがちです。とんがり人材はどちらかといえば組織風土を壊す人材ですので、主観評価を排除し、とんがり基準に徹した評価を行わなければいけません。この厳しい面接に耐えうる面接官をきちんと見極め選抜してください。

選考が終わってもまだプロジェクトは終わりません。とんがり人材は内定辞退リスクが高いためプロジェクトメンバーが徹底的にフォローをします。常に連絡をとり、会社に呼び、コミュニケーションをとりながら状況を把握します。不穏な動きがあればすかさず、手をうちます。無事入社してからもプロジェクトは終わりません。とんがり人材は早期退職リスクが高いため、プロジェクトメンバーが責任者となっている部署への初任配属を行い、とんがり人材の持ち味を殺さない教育と役割付与が必要です。一律の新人研修には参加させてはいけません。他の新人とのコミュニケーションもマイナスに働く可能性がありますので、接触には注意が必要です。

このように入社して一人前に育つまでの長いプロジェクトになるため、役員クラスの支援が必要なのです。

文責:清田 茂

タレントマネジメ
ントコラム 日本エス・エイチ・エルの人事コンサルタントの視点

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