人事部長からの質問
少数精鋭主義とは何をいうのか?
ご質問したくなるお気持ちはよくわかります。「絶対」と「相対」、「市場」と「競争」等について知覚のある人は同じ疑問を感じているはずです。アメリカのメジャーリーグ(野球)でいえば、十分なピラミッド構造をもっているゆえに、メジャープレーヤーは厳しい観客の要求を満たすプレーができるのです。メジャーが少数精鋭主義で、優秀プレーヤーだけの組織にしたら、おそらく興行体として瓦解してしまうでしょう。マイナースポーツを少数精鋭主義によるとはいわないのです。同じことが会社組織についてもいえると思います。たくさんの人たちの中から相対的にすぐれた人たちが、選別されて、要所におかれるからこそ、「市場」のなかでの「競争」に耐えられるプレーができるのです。つまり、精鋭の背後には多くの2軍、3軍、4軍がいないといけないのです。この問題をよくよく考えてゆくと今のリストラ主義の「本質的な危険」が浮かび上がります。これ以上は紙幅の関係で割愛しますが本質をついたよいご質問だと思います。さらに考えてみたいと思います。
文責:清水 佑三
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