人事部長からの質問

2006/04/20 732

どうすれば「一冊の本」に出会えるのでしょうか。

「比較的本をたくさん読むほうだと思うのですが、(自分にとっての)座右の本を特定できません。寂しいと思う反面、そういうのってほんとにあるのかな、といぶかる気持ちがあります。」 とお書きになっておられます。おっしゃることは理解できます。座右の本については同感ですが、座右の機械(名機)というのはあると思いますね。手になじみ、手元においてながく愛用、愛玩する機器、機械のことです。私の場合、松下のDVD-LS50というポータブルDVDプレーヤーがそれにあたります。この機械は、何から何までよくできていてほんとにいとほしい有難いといつも思っています。それにあたるような本ってなかなかないですよね。話しが飛びますが、河上徹太郎さんは、ある時期から書斎にこもって自分の本だけを読み続けたそうです。奥さんのそういう証言があります。彼にとって、晩年、座右の本は自著だったのですね。質問者の方もそうなる可能性があります。

文責:清水 佑三