人事部長からの質問
構造計算偽造問題を読み解いてください。
新聞等の報道によれば、国交省が今回の事件で問題になった完成済みの建物14棟と工事中の3棟について設計段階の図面を精査したところ、耐震強度が必要基準の26〜78%しか満たなかったそうです。このことによってどういうことが起こるか。自動車の車検になぞらえれば、杜撰な検査でパスした車が町中を走り回るようなものです。人間ドックになぞらえれば、クリニックの稼働率をよくするために分析をしないで結果を出力して「要精密検査」の人を見逃すようなものでしょう。この事件の本質について考えてゆくと「職業倫理」が衰退し、「企業競争」が隆盛している現代の世相そのものが鏡に映し出されているのだと思います。すべて汝がことなれ、という視点にたてば、私の内なる構造計算偽造問題にゆきつきます。さあ、どうしましょう。
文責:清水 佑三
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