人事部長からの質問
専門性の高い職種のローテーションをしたいが…。
「弊社は、業務の専門性が高く入社後どこかに配属されるとまずそこにとどまります。そのため視野狭窄現象のような傾向性が新任管理職に多く見られます。管理職候補者にジョブ・ローテーションをやってみたいと思う。留意点は?」というご質問です。どうして日本企業の多くが幹部候補生の職場を定期的に動かす風習をもつかといえば、管理職としての要件に「視野の広さ、相手の立場に立ってものを考えられる力」が必要だからです。内野手ばかりやっていると外野手の悲哀はわかりません。監督になるとどうしても外野手への目配りが弱くなりがちです。知らないからですね。そういう意味でご指摘のアイデアには賛成します。留意点ですが、部署ごとの民度のようなものを想定して、できるだけ低いところから高いところに動かしてゆくことです。その理由は個人の成長と組織の民度とは関係があるからです。いい学校に子を入れたがるのと同じ理屈です。
文責:清水 佑三
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