続・人事部長からの質問

ご質問者は、2009年新卒採用では、“ワークライフバランス”“福利厚生”といったものがキーワードになっていたように思います、とお書きですから学生側の視点にたったキーワードということになるでしょうか。今期までの売り手市場では、このように仕事から一歩離れたスタンスを取る学生のポーズがキーワードになっていました。すでに10月から主要な就職サイトもオープンし、イベントも開催されるようになりましたが、ここにきての世界的な金融不安がどのように新卒採用に影響してくるかがポイントだと思います。
現状の不景気感のなかでは、各企業の採用計画が発表になる時期には「超売り手市場から超氷河期へ」「安定志向への回帰鮮明に」「新卒ニート出現の可能性高まる」といった表現が数多く出てくるのではないでしょうか。
こうしたことを背景に学生側からは、自分はこうして企業に貢献できるということを打ち出すような、入社以後の「自分のキャリアアップ」や「自己実現」、「市場価値創造」への質問が多くなると予想されます。ただ、この裏にはなんとか内定を獲得したいという思いと不安定な時代を生き抜くための思いがより強く反映していることを理解して下さい。
その他には「個人からチーム力へ」「採用から人材育成時代へ」「ゆとり世代の活用法」といった転換期に関連したものが注目されると思います。

文責：奈良　学