続・人事部長からの質問

社内ベンチャーの成功例としてよく取り上げられるのが、ＮＴＴドコモのiモードサービスとソニーコンピュータのプレイステーションですが、逆に社内ベンチャーの成功例は、あまりないということの裏返しでしょうか。社内ベンチャーあるいは企業内起業家も同じですが、そもそも既存の組織内でどれだけ従来と違った発想を持てるのか、しがらみ無しで新しい発想のもとでどれだけ動けるのか、はなはだ疑問です。数年前に清水前社長が関連した質問に対してこう述べています。「会社の未来を明るくし、高揚させるのがご指摘の企業内起業家育成制度でしょう。魅力ある条件を出せば出すほど応募者が増えます。提案者を会社として支援するかどうかの判定が大事です。ベンチャーキャピタルに審査委託をすればよいと思います。彼らは、ダメな起業家を飽きるほど見てきているので「×」の判定力があります。この制度による成功者が億万長者になれば後に続く人がどんどん出てきます。」
社内ベンチャーを担当させる人間の人選と、どこまで支援するかという基準が明確でかつ支援環境が整っていることがポイントではないでしょうか。

文責：奈良　学