続・人事部長からの質問
人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。
是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。
入社以来、長らく低迷していた社員が、ある時を境に好成績を出すようになりました。仕事も環境も変化はありません。本人も好成績の理由がわかっていないようです。どのように要因を調べたらいいですか。
人の成長を目の当たりにして戸惑っておられるのですね。しかし、戸惑う必要はありません。人は誰でもその方のように成長しているのですから。たまたまその方は他の人よりも少し時間がかかっただけのことです。
要因はコンピテンシーが開発されたからです。そのコンピテンシーを構成する個々のスキルがどのような経験、行動、思考によって開発されたかを確認することになります。本人、上司、同僚、顧客、その他関係者へのヒアリングによって、どのように行動が変化していったかを明確にすると、要因を分析できます。
要因分析を行うと、成長の引き金となった特定の事象やエピソード、職務経験などが見つかります。しかし、実際にはその一つの事象があったから成長したのではなく、本人に少しずつ起こった生理的、心理的、物理的な変化が一定の水準を越え、適切な行動や思考となり、成果に結びついただけのことです。言うなれば、その事象は本人の中ですでに起こっていた成長が初めて成果に結びついた事象です。
その方だけの要因分析をするのではなく、全社員を対象に成長要因の分析を実施してください。成長の仕方の多様性を知ることになり、さらに能力開発施策の立案に悩んでしまうかもしれませんが、それが人の成長なのですから仕方がありません。
文責:清田 茂
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