続・人事部長からの質問

どのような質問でも、学生が本音で話してくれているのかどうかはわかりません。最近は、教員試験、公務員試験との併願で内定辞退をするという人は少なくなってきたようです。企業の採用活動が早期化、短期集中化したため、内定受諾の返事を早めに求められるようになったこともあり、企業の採用試験との併願はかなり負担感があると考えているのではないでしょうか。私も教員免許取得予定者や教育学部系の学生には、同様の質問をします。

ただ、これは大学進学時に教員志望の考えをもっていた人が、どうして教員の道に進まずに民間企業へ道を選んだかの理由を確認するためです。「本当にうちにくる気があるの？」と聞くためではなく、大学受験時にもっていた大学で何を学ぼうとしていまの大学学部を選択したのか。学んだことを生かしてどのような仕事をしてみたいと考えているのかということを他の学生と同様にヒアリングするためです。ガクチカではバイトやサークルの話題が多いですが、できればゼミや研究テーマについて熱く語ってほしいものです。

話はそれますが、「教員にはなりません」という理由で多いのが、「教育実習で現役先生と話して勉強を教える以外にやることが多すぎて大変な仕事だとわかりました。学校は思ったより閉鎖的な社会だと感じました」というような回答です。
時給が高いから塾講師のバイトに精を出してますが、先生にも塾の講師社員にもなりません。でも合格するように工夫してあげて合格した生徒から感謝されるとうれしいです、こんな感じです。

教師という、人に物事を教える、人の一生に影響を与えることができるという尊い職業だから目指しますという人が少ないのです。いまの大学受験制度や教員養成制度にも問題があるのでしょうが、子をもつ親としては日本の将来を考えると「教育」を何とかしてほしいですね。

文責：奈良　学