続・人事部長からの質問

人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。

是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。

2018/12/07 2562

従業員数100名弱の中小企業で人事をしています。社長が高齢になり、事業継承が目下の課題です。「社員の中から候補者を何人かリストアップしろ」と社長に言われているのですがどのような手法・手順でリストアップするのが適切でしょうか?

中小企業の事業継承者問題は、切実です。親族の後継者がいらっしゃればまだしも、役員、社員からの登用となると、当人が株式の引き受けや個人保証の問題で二の足を踏むことも多いと聞きます。
「社員の中から候補者を何人かリストアップするように」との社長のお言葉の真意はどこにあるのでしょうか。役員の中には、誰もが認める後継者がいない。高齢といっても、まだまだ時間はあるので、選ばれた候補者に自分で社長業を教え込みたい、実は社長が考えた候補者がいるが、会社全体の調和を考えて候補者選抜という形を取りたい……いろいろです。

大変ですが、まずは社長の本音を聞き出して下さい。そうでないと後々混乱します。
先入観なしで客観的に優秀な人材に会社を任せたいということであれば、社長が考える後継者に必要な能力、要件を人事部がヒアリングし、役員を含めた上級幹部層にアセスメントを実施しその条件に見合った人を候補者グループとします。もちろん当人にやる気がなくては始まりません。その際自分が社長になった場合に会社をどのように経営するか、実現への具体的なプランと意気込みをプレゼンしてもらいます。

まだ引き継ぎまで時間があるのであれば、この候補者グループに次期社長研修(社内、社外)を実施、1年後に評価を下し最終決定するという方法もあります。

時間がなければ、社長が推薦する候補者1名、役員間で推薦した1名、社員の中で自ら立候補した者、外部から紹介のあった経営経験のある候補者1名、この集団に対してアセスメントセンターを実施し、それらの総合評価を取締役会で審議するという方法もありますが、あせって継承者を決めることは絶対避けるべきです。なおどうしても継承者が見つからない場合は、M&Aによる事業継承も検討の余地があります。

文責:奈良 学

タレントマネジメ
ントコラム 日本エス・エイチ・エルの人事コンサルタントの視点

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