続・人事部長からの質問
人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。
是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。
昨今の経済状況のあおりを受け、採用計画の見直しを迫られています。
若干名でも採用し続けることに価値はありますか。
毎日のように派遣切りの問題、正社員のリストラ、ワークシェアリングなどなど雇用問題がマスコミ報道をにぎわせています。あらゆる雇用維持の対策を取り、最後は正社員のリストラまで踏み込まなければならない企業さんにとっては、新卒採用中止という経営判断が打ち出されることは当然あるでしょう。
そうした中で採用し続けることに「価値」があるかというご質問に対しては、それ自体には「価値」はないとお答えします。ギリギリの経営状態の中で継続して採用した人材が戦力になって業績貢献することで「価値」が生みだされるわけで、成果が出ないのであれば投資効果ゼロと同じです。逆に採用を一時でも中止した場合のデメリットを考えてみましょう。大前提は、ますます少子高齢化社会が進んでいくという現実です。若年労働力はどんどん小さくなって行きます。当然採用競争自体は楽になりません。一度採用を止めた企業には、学生・大学側が「将来また採用しない時期がある=自分の後輩は入ってこない可能性がある」と判断しマイナス点を付けます。技術系の場合は、研究室とのパイプは当然切れてしまいます。現有社員にもこの会社に残っていて大丈夫かという不安が生じます。
必要になれば中途採用でということも考えられますが、年齢構成に歪みができることはもちろん、企業文化や技術の継承の面でもマイナスです。多くの企業は、バブル崩壊から復活した失われた10年で、新卒採用の継続性の意義を経験しました。
可能な限り継続していく方向でご検討下さい。
文責:奈良 学
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