続・人事部長からの質問

人事担当者の方からのご質問に対して当社役員、HRコンサルタントが交代で答えさせていただきます。

是非、ご質問、ご感想をお寄せ下さい。 なお、このQ&Aにおける回答は各回答者の個人的見解であり、当社の公式見解を示すものではありません。

2009/01/19 153

ワークシェアリングの導入を検討したいと思うのですが気をつけるポイントを教えてください。

ワークシェアリングが昨年後半からの「派遣切り」と関連して話題に上るようになりましたが、もともとはバブル崩壊後の1990年後半から労使間で今後の雇用問題解決の方策案とし議論されていたものです。厚生労働省の「ワークシェアリングに関する調査研究報告」2001.4によれば、「雇用機会、労働時間、賃金の3つの要素の組み合わせを変化させることを通じて、一定の雇用量を、より多くの労働者の間で分かち合うこと」とされており、2002年3月には政労使三者による合意がなされましたが、現実的には根付きませんでした。

ワークシェアリングには短期的なものとして、緊急避難的型と雇用創出型とが、また中長期的なものとして多様就業対応型、代替雇用型といったものがありますが、どうしても不景気に入ってから前者の短期的な緊急避難・雇用維持型としての議論が中心となり実効力が薄くなりがちな気がします。従来は、ライン作業が主体の製造業こそワークシェアリングが導入しやすく、ホワイトカラー職の労働業務には馴染まないというのが定説でしたが、10年前と違うのは、製造業においては非正規労働者の就業比率が圧倒的に上がっていることです。単純に正規労働者だけで労働時間、賃金をシェアすれば問題が解決するという環境ではなくなっています。御社は、製造業さんなのでしょうか。是非、「人事制度の改革」まで踏み込んだ中長期的なワークシェアリングをご検討いただくことを願います。

文責:奈良 学

タレントマネジメ
ントコラム 日本エス・エイチ・エルの人事コンサルタントの視点

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