人事部長からの質問
職務給の導入についてアドバイスがほしい。
日本の企業の給与制度を大別すると、成果給、職務給、職能給、生活保障給になります。最後の生活保障給は耳慣れない言葉だと思いますが、企業に勤めることで生活をしている人に対して、生計ニーズにあわせて給与を支払おうとする伝統的な考え方をいいます。毎年春に行われる定昇やベースアップはこの考え方に基づいています。入社、結婚、子供、教育、家、老後の備え等々が生計ニーズの変化要因です。職務給は、職務別に労働コストが大きく異なる場合に、導入すべき考え方です。たとえば、新しい仕事をすすめる上で、コンピュータ技術者がどうしても必要であるが、雇用する場合の給与水準が現行の社員の給与水準からかけ離れているような場合です。こういう時には、職務給制度を導入しないと、なぜ、あの人だけがという批判が起こりえます。そうでない場合は無理をして職務給制度を導入するのはどうかなと思っています。
文責:清水 佑三
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